今年はラフマニノフ生誕150年、そして没後80年！

誕生日は過ぎてしまいましたが、1873年4月1日ロシアで生まれ、1943年3月28日にアメリカで他界。

ロシア・ロマン派という、情緒豊かで、時にエキゾチックでドラマチックな、そしてどこか懐かしく感じられる旋律や響きがフィギュアスケートにとても合い、日本でも浅田真央選手や高橋大輔選手ほか、多くの選手がプログラムに使用し、観る人々に感動を与えています。ちょっと調べてみたら、『ピアノ協奏曲』第1番～第3番、『前奏曲』や『パガニーニの主題による狂詩曲』など、12曲がフィギュアスケートのプログラムに使われていました。

そんなラフマニノフはどんな生涯だったのか、ざっくり紹介します。

モスクワ音楽院に入学し、1891年にピアノ科を大金メダルで修了。
翌1892年に作曲科を卒業。作曲したオペラ『アレコ』で金メダルを獲得。

チャイコフスキーを崇拝し、1893年にチャイコフスキーが亡くなると、追悼として『悲しみの三重奏曲第2番を作曲。
1985年に作曲した『交響曲第1番』は1987年に初演されたが、失敗に終わり、精神的に大打撃を受ける。
その後回復し、作曲した 『ピアノ協奏曲第2番』は大成功を収め、グリンカ賞を獲得。

1917年のロシア革命によりラフマニノフはロシアを離れ、ヨーロッパなどでの演奏活動の後、アメリカへ移住。1942年にビバリーヒルズに邸宅を購入、翌年の1943年に他界。

身長が高くて手も大きく、ピアノの鍵盤で左手の小指から親指までで12度の音程を押さえる事が出来たという話も。
あと、愛用していたピアノはスタインウェイ、などなど...。

現代の音楽家たちにも大きな影響を与えているラフマニノフ。

個人的に気に入っているMuse(ミューズ)という英国の3人組のロックバンドがいるのですが、そのヴォーカル/ギターのマシュー・ベラミーが、影響を受けたクラシックの作曲家の1人としてラフマニノフを挙げています。
彼らのアルバム『The Resistance』の中の『Exogenesis: Symphony, Pt. 2』の冒頭ではそんな影響が伺える美しいピアノとオーケストラの響きを堪能できます。あと、『ORIGIN OF SYMMETRY』というアルバムの、『Space Dementia』という曲があるのですが、4分10秒過ぎあたりがラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』の第1楽章の一部分のストリングの旋律に似ている...。

全然関係ないのですが、映画の名作中の名作『アラビアのロレンス』のテーマ曲(モーリス・ジャール作曲)、いつもこの曲とラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』がごっちゃになってしまうのは私だけでしょうか...

ところで、セルゲイ・ラフマニノフの名前は、ロシア語ではСергей Рахманиновと表記されます。最後の"フ"の部分の"в"は、ラテン文字だと"v"となるケースが多く、それを踏まえると"Rachmaninov"となりますが、これが"ff"となっているのをよく見かけます。プロコフィエフなどは、楽譜でも"Prokofiev"となっていますよね。

何故か気になる...

ちょこっと調べてみたところ、ラフマニノフ自身が生前で欧米で名前を記す際に、"Rachmaninoff"と書いていたらしく、それを基にしてあるとの事でした。
ラテン文字表記ではRachmaninov、Rachmaninoff、Rachmaninowなど、色々な綴りが出てくるのですが、ラテン文字への変換はその時代によっても変わっているらしく、どれが正解というのはないらしいです。
ファーストネームのセルゲイの"й"の文字も、"i"と書いたり、"y"と書かれたりしていますが、発音自体は同じですものね...

どんどん話がどうでもいい方向へいってしまい申し訳ございません...

ところでみなさまの好きなラフマニノフの曲はどの曲でしょうか？
わたくしは個人的には『ピアノ協奏曲第3番』、『コレルリの主題による変奏曲』、『練習曲音の絵Op.39』などです。もちろん聴くだけで、弾けませんが...。


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楽譜係　高木

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